本大会の成り立ちや日本開催に至った経緯

2026年10月06日

世界選手権まで残り1か月となりました。

今回はこの世界選手権について、その成り立ちや運営母体、日本開催に至った経緯などを少し詳しく書いていこうと思います。

少し長くなりますが、このブログを読んで大会への興味が少しでも高まってくれる人がいたら嬉しいです。

1.世界選手権の正式名称とFIPSedについて

まず本大会の正式名称ですが、最初のブログでも書いた通り「6th FIPSed Trout Area World Championship」となります。

FIPSedが主催するトラウトエリア(エリアトラウト)の世界選手権、という意味になります。

ここでまずはFIPSedについて説明します。

FIPSedの正式名称は「Fédération Internationale de la Pêche Sportive en Eau Douce(国際淡水スポーツフィッシング連盟)」。

1972年7月15日にプラハで設立された、淡水における競技フィッシングを国際的に統括する組織です。

さらにその上位には、競技フィッシング全体の国際統括組織であるCIPS(国際スポーツフィッシング連盟)があり、FIPSedはその「淡水部門」にあたります。

CIPSにはFIPSed(淡水)、FIPS-Mer(海水)、FIPS-Mouche(フライ)の3つの国際競技連盟があります。

その規模もかなり大きく、CIPS全体では104の国・地域、113の国内競技団体が加盟。FIPSedにも世界各国の国内競技団体が加盟しており、日本からはJapan Freshwater Fishing Federation(JFFF)が加盟しています。

FIPSedが統括する競技はトラウトだけではなく、コースフィッシング、フィーダー、カープ、ブラックバス、ストリートフィッシング、ボート・岸からのプレデターフィッシング、カヤック、アイスフィッシング、そしてTrout Area(トラウトエリア)など、多数の淡水競技があります。

そして、それぞれの種目で世界選手権や大陸選手権が開催されています。

つまり今回平谷湖で開催される大会は、単に海外選手を招いて行う国際大会ではなく、FIPSed公式の「国別対抗・シニア世界選手権」となります。

この大会の主催者はFIPSed、日本は主催国という立場になります。

主催国は、FIPSedが開催を希望する国を募り、FIPSedが定めるTrout Area World Championshipの「Competition Rules(競技ルール)」に則った大会を開催できるかなどを審査した上で決定されます。

そして主催国には、Competition Rulesに基づいて様々な役割や義務が課されます。

Competition RulesはFIPSedのホームページでも公開されているので、興味のある方はぜひ一度読んでみてください。

国内の大会とは一味違う部分も多く、なかなか興味深い内容だと思います。

英語で書かれているので、今ならAIに翻訳してもらいながら読むのがおすすめです。

2.6th Trout Area World Championship実行委員会とは?

本大会の特設ページなどに度々登場する「6th Trout Area World Championship実行委員会」。

これは一体何をするところなのか、という話に移ります。

Competition Rulesに書かれている通り、主催国には本当に色々な仕事が割り当てられています。

会場開催についての申請書を提出すること。
大会プログラムを作成すること。
指定された内容をカバーする保険に加入し、期限までに証書を提出すること。
トロフィーを用意すること。
各国に対する大会記念品を用意すること。

ほかにもまだまだあり、実に多岐にわたる仕事量です。。。

実行委員会は、こうした「主催国の義務」とされている業務を遂行することをメインの目的として設立されました。

実務については主にt-Routeの店長・副店長が担当し、大会運営に関するアドバイザーとして2025年チームジャパンのキャプテンを務めた伊藤雄大選手、大会会場に関するアドバイザーとして平谷湖フィッシングスポットの場長である服部氏に協力していただいています。

メインの目的はFIPSedから主催国に割り当てられた業務を遂行することですが、もちろん、それだけで終わらせるつもりはありません。

せっかく日本で開催される世界選手権です。

この大会が日本のエリアトラウト業界にとって意味のあるものになるよう、決められた仕事の範囲を超えて日々奮闘しています。

3.日本がFIPSed Trout Area World Championshipに参加するようになった背景

日本がこの大会に初めて出場したのは、2024年にブルガリアで開催された第4回大会です。

元々ヨーロッパ発祥のCIPS、FIPSedですので、それまでこの大会にはヨーロッパの国々が中心となって参加していました。

ヨーロッパでエリアトラウトがブームになり、1年目より2年目、2年目より3年目と参加国がどんどん増え、大会としての存在感も増してきた頃です。

そんな中、「世界選手権という名前がついているのに、エリアトラウト発祥の国である日本が出場していない」ということを残念に思っていた国も多かったようです。

第2回、第3回大会の頃から、様々な関係者が日本の業界内にいる知人に「日本は出ないのか?」と声をかけていたそうですが、第3回大会までは実現せずにいました。

そして第4回大会で、ついに日本チームが初出場することになります。

日本チームが出場することになった詳しい経緯については以前のブログでも書いていますので、興味のある方はそちらも読んでみてください。

ただ、そのブログでは具体的な手続きについてはあまり触れていなかったので、ここで改めて説明します。

FIPSed主催の世界選手権に参加するためには、FIPSedに加盟している各国の団体を通じてエントリーする必要があります。

そして日本でFIPSedに加盟している団体が、先ほど登場したJapan Freshwater Fishing Federation(JFFF)です。

4.Japan Freshwater Fishing Federation、日本バスプロ協会(JB)について

さて、日本がこの大会に出場するためにはJFFFを通じたエントリーが必要だったのですが、当初、このJFFFの連絡先を知る方を探すのが非常に大変でした。

日本国内で知っていそうな方を当たったり、FIPSedに加盟しているヨーロッパの団体に相談したりとかなり苦戦しましたが、最終的にはラトビアのチームメンバーが連絡先を探し当ててくれました。

JFFFを創立したK氏は、現在アメリカで釣具関係のお仕事をされている方でした。

K氏から話を伺ったところ、JFFFは数年前までFIPSed主催の他魚種の競技にも参加していたが、現在は日本バスプロ協会(JB)に運営を委託しているということでした。

そこでK氏及び日本バスプロ協会に「この世界選手権に日本代表として出場したいんです」と相談。

日本選手のこれまでの実績なども加味した上で了承をいただき、正式にエントリーしたのが2年前のことになります。

こうして日本は、2024年の第4回ブルガリア大会からFIPSed Trout Area World Championshipへの参加をスタートしました。

5.日本開催に至った理由

今回の日本開催を決めたのは、2024年のブルガリア大会最終日。

全参加選手が集まったGALA(晩餐会)の場でした。

ヨーロッパでこれほど多くのアングラーが「エリアトラウト」という競技を楽しみ、そして日本で作られたエリアトラウト製品を愛用している。

その姿を実際に目の当たりにしたt-Routeの店長・副店長は大いに感激しました。

そして、

「この光景を日本のみんなにも見せたい!!」

と強く思ったのでした。

とはいえ、日本から大勢の人を連れてヨーロッパへ行くのは現実的ではありません。

だったら、日本で開催するしかない。

そう思い、アドバイザーとして一緒にやらないかと雄大さんに相談したところ、答えは即答で「やろう」。

そこで、その場でFIPSedの会長と秘書に「日本で開催したい」という意思を伝え、必要な手続きについて聞いたのが今回の日本大会の始まりでした。

その時点ですでに2025年のイタリア開催は決まっていたため、「それなら2026年の日本開催を目指そう」という話になりました。

日本へ帰国後、店長・副店長と雄大さんの3名で、JFFFの代表も兼務している日本バスプロ協会の山下会長のもとへ伺いました。

そこでブルガリア大会での優勝を報告するとともに、2025年の世界選手権にも引き続き出場したいこと、そして2026年には日本で世界選手権を開催したいことを相談しました。

山下会長からは「今後、FIPSedのTrout Area部門については全面的に3名に任せる」と言っていただき、後日K氏にもメールで了承をいただきました。

そこからFIPSedとのやり取りや開催申請などを進め、今回の日本開催へと繋がったのです。

6.来年以降の大会について

「6th Trout Area World Championship実行委員会」は、今回の大会終了をもって解散となります。

ただし、JBの山下会長からTrout Area部門を任せていただいた3名は、来年以降も名前や形を変えながら、この大会に関わっていきたいと思っています。

FIPSedは自身の理念について、

「オリンピックの理念のもと、スポーツを通じて世界中の人々の友情と相互理解を育み、世界平和に貢献すること」を目的として掲げています。

また、この理念を実現するため、「同じ理想を共有する世界各地の組織と友好的な関係を築き、協力していく」ことも明記されています。

私たちはこの理念と姿勢に強く共感しています。

もちろん世界選手権なので、選手たちは本気で勝つために戦います。

でも大会が終われば、国籍や言葉の違いを超えて、同じ「エリアトラウトが好きな人間」として話をしたり、笑ったり、お互いの釣りについて語り合ったりする。

実際に海外大会へ参加してみると、FIPSedが掲げている理念は単なる綺麗事ではなく、この大会の中に確かに存在していると感じます。

だからこそ、世界中のアングラーが肩を並べて戦えるこの大会が長く続いていくよう、今後もFIPSedと協力しながら応援していきたいと思っています。

また開催回数を重ねるにつれて、各国の代表選手の選考方法も少しずつ整備されてきています。

日本についても、来年以降の代表選手選考に関して、現在トラウトキング選手権やその他国内の大会団体と協力しながら、より多くの選手にとって納得感のある仕組みづくりをしている最中です。

7.さいごに

第5回イタリア大会では東アジアからの参加国も増え、今年は韓国も初出場を予定しています。

ヨーロッパを中心に始まったFIPSed Trout Area World Championshipですが、少しずつ世界へ広がり始めています。

これからこの大会がどう成長していくのか、私たち自身も非常に楽しみにしています。

そして今回の日本大会では、長野県平谷村の教育委員会からも「積極的に関わりたい」と言っていただいています。

世界各国から選手たちが日本に集まり、同じ釣り場で競技をする。

そう考えると、この大会は少しずつ「釣りの大会」という枠を超えた意味を持ち始めているのかな、と感じています。

大会まで残り1か月。

ここからは情報発信の頻度も増やしながら、世界選手権についてもっと多くの方に知ってもらい、少しでも関心を持ってもらえたらと考えています。

近々、当日の入場券についてや、今回の大会を支えてくださるスポンサー企業についてもご案内していく予定です。

よろしければ、そちらもぜひお付き合いください。

それでは長文となりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

引き続き、第6回 FIPSed Trout Area World Championshipをよろしくお願いいたします。

6th Trout Area World Championship実行委員会